はんなり京塾〜MIYAKOJYUKU〜

京都在住のお香や京KOUを制作しているマコトが京都検定を含め京都の様々な情報を発信しています。

【保存版!京都検定必須】〜京菓子の種類や由来前編〜まとめ記事

はんなり京塾〜MIYAKOJYUKU〜です

はんなり京塾ブログのきっかけはこちら

makotolabo.hatenablog.com

 

こんな方におすすめです

京都検定を勉強されている方

京都検定に興味ある方

③ちょっとディープな京都を知りたい方

 

今日の内容は

今日は京都の季節や行事に欠かせない「京菓子」の種類や由来についてです。

数もありますが、全部回りたいお店が揃っています。

季節限定もありますので一年を通じて楽しんでほしいです。

全部で2部作の大作ですがどうぞお付き合いください。

 

グループにも参加してます!

もしよろしければクリックお願いします!

 

京菓子の種類と由来

京菓子の歴史については

京菓子の歴史についてはこちらをご覧ください

makotolabo.hatenablog.com

 

京菓子の種類は

三部作のまとめ記事は京菓子の種類で分類します。

  1. 季節と行事にまつわる京菓子
  2. 季節を問わない京菓子
  3. 神社仏閣や街道などにゆかりのある京菓子

今回は前編として

・季節と行事にまつわる京菓子

・季節を問わない京菓子

です

1.季節と行事の京菓子

1) はなびら餅

京都でお正月に食べる伝統菓子の1つ。

丸い白餅に紅の菱餅と味噌餡

特徴的なのは、甘煮の牛蒡が挟まっていること。

半円状に折ってある。

お菓子の意味など

元々宮中の正月行事食の菱葩が原型だそう

関連事項

裏千家茶の湯の初釜で使われている。

販売場所

京都市内各所

 

2)法螺貝餅

小麦粉を水でといた生地を薄く焼き、白味噌餡とここでも出てくる、牛蒡(貝の吹き口に見立てている)を法螺貝に似せて巻いたもの。

お菓子の意味など

法螺貝が悪霊退散の意味があることから、厄除けの菓子

 

関連事項

元の形は「ふのきや」というお菓子に似ている。

安政の御所炎上の時に孝明天皇が避難先の聖護院門跡で食したそう。

販売場所

柏屋光貞

年に一度、節分護摩供の供用菓子として販売

(予約可能だそう)

 

3)きつね面

2月最初の午の日に伏見稲荷大社にて初午大祭が行われ、その初午大祭にちなんで茶席で取り合わせる干菓子。紅白の有平糖と共に用いられる。

お菓子の意味など

煎餅種に砂糖の擦り蜜を付け、白狐を表現している。

 

関連事項

初午やそれにつづく二の午・三の午にうってつけの干菓子であります。

平らな煎餅に一端湿気を与え、丸い形にして、再び焙炉(ほいろ)をかけます。円錐形を狐の顔に見立てて、狐の目は焼火箸で細く描かれています。

特にてらったことない菓子ではありますが、時候といい趣向といい比類のない干菓子の一つであります。

これも茶の湯の苦難の時代に生まれました。考案者は16代亀屋伊織、今の当主のおじいさんであります。

明治29年生まれで戦前戦後の混乱期で菓子の仕事のなかった時代です。一生を通じて16代の代表作として残ったのは唯一この菓子だけと、17代の伊織はいいます。

ねじり棒は紅白の有平糖をねじって棒状としています。神社の拝殿の鈴を鳴らす綱をかたどっています。有平糖は作ってからしばらくおかれて、飴が外側から砂糖にもどって、少し飴が芯に残っている時が食べ頃です。

形だけではなく茶の味を引き立てることが茶の菓子には大事です。

(画像と文の引用元:茶の湯こころと美より https://www.omotesenke.jp/chanoyu/7_8_5a.html

 

代表的な販売場所

亀屋伊織

紅白の有平糖と共に2月の干菓子(予約のみだそう)

 

4)引千切(ひちぎり)

草餅・菱餅と並び雛祭りに欠かせない菓子。

餡に小麦粉を加えて蒸したこなしや外郎に、きんとんや餡の玉を乗せたもの。

お菓子の意味など

先端を引きちぎったような形状。

子だくさんを意味する「ひきちぎり」とも読まれる。

また真珠などを持つあこや貝に似ていることから「あこや」とも言われる。

関連事項

ルーツは平安時代に宮中で祝儀に用いられた戴餅。

女子のいる家では配り物にも使用される。

有名な販売場所

京菓子司 末富 本店

三月のお菓子として販売している

 

5)さくら餅

つぶつぶした歯触りの道明寺粉でこし餡を包む

お菓子の特徴

塩漬けの桜の葉は巻き付けず、2枚の葉で挟むようにする

関連事項

桜の名所である嵐山でも名物

個人的に好きなお店の場所

琴きき茶屋

ここのお持ち帰りのさくら餅はとっても美味しいです

 

6)かしわ餅

江戸時代から端午の節句で有名なお菓子

お菓子の特徴

餡を柏の葉で包んだもの。お味噌と小豆の2種類の餡がある。

関連事項

柏の葉は新芽が出るまで古い葉を落とさないため、子孫繁栄の縁起。

形が柏手と似ているため、武運祈願である端午の節句に食べられるようになったという。

 

有名な販売場所

京菓子司 末富 本店

見た目もなんとも綺麗で美味しいです

 

7)粽

5月5日端午の節句に食べるお菓子

中国から伝わったもので悪霊を祓う意味がある。

節句に食べるのも厄除けのため。

お菓子の特徴

笹の葉に米粉で作った団子を包むのが一般的。

京都は葛ねりや羊羹を包んだものがある。

ちなみに笹の葉で巻いていて留めはイグサ。

関連事項

祇園祭でも「粽」が鉾ごとに販売されているが、この粽は食用ではなく飾り粽である。

厄除けのため家の門口に吊るす。

有名な販売場所

京菓子司 末富 本店

見た目もなんとも綺麗で美味しいです

 

8)嘉祥菓子(かじょうがし)

6月16日は「和菓子の日」。全国和菓子協会が制定した日のきっかけになった儀式の名前でもある。

室町時代から江戸時代にかけて嘉祥菓子を食べる風習が一般市民に普及したそう。

現在では嘉祥菓子として各和菓子屋さんでは7種のお菓子が組み合わさったものを販売している。

お菓子の由来

菓子を食べ厄除招福を願う「嘉祥(定)」という儀式に因み食べるお菓子

と言われているが、諸説あり日本和菓子協会では以下のように

和菓子の日を6月16日としている。

 

西暦848年(承和15年・嘉祥元年)の夏、仁明天皇が御神託に基づいて、6月16日に16の数にちなんだ菓子、餅などを神前に供えて、疫病を除け健康招福を祈誓し、「嘉祥」と改元したという古例にちなみます。

「嘉祥」とは文字通り「めでたいしるし」であり、鎌倉時代には、のちの後嵯峨天皇東宮となられる前に、6月16日に通貨16枚で御供えの菓子などを求めて献じそれを吉例とし、皇位継承の後もこのことが続けられました。
その後、室町時代の『嘉祥の日』には、朝廷で主上に「かづう」(女房言葉・かつう、かずうともいう=「嘉祥の祝」の菓子のこと)を差し上げるのが吉例であったことが『御湯殿上日記』に記載されています。
また、慶長の頃、豊臣秀吉が「嘉祥の祝」を恒例として行っていたことが『武徳編年集成・四十四』に記載されています。江戸幕府においては、この日、大名、旗本など御目見得以上の諸士に大広間で菓子を賜り、これを「嘉祥頂戴」といい、菓子は白木の片木の上に青杉の葉を敷いてその上に積んであり、一人一個ずつ取らせたといわれます。
民間においても、「嘉祥喰」といって銭十六文で菓子や餅十六個を求め食べるしきたりがありました。
また、この夜に十六歳の袖止め(振り袖をやめて詰め袖にする)をする「嘉祥縫」という風習があったほか、6月16日に採った梅の実でつくった梅干しを旅立ちの日に食べると災難をのがれるという言い伝えがあり、「嘉祥の梅」といいました。

このように、「嘉祥の祝」は、疫を逃れ、健康招福を願うめでたい行事として歴史の中で受け継がれ、明治時代まで盛んに行われていました。この『嘉祥の日』を現代に復活させたのが「和菓子の日」です。

 

関連事項

お店によってお菓子の数も異なるが

7種類のお菓子を1セットにしているお店が多い。

これは、16→1+6=7

ということだそう。

個人的に好きなお店の場所

嘉祥菓子養老軒

所謂「嘉祥菓子」として虎屋さんなどのような

お菓子セットを出されている訳ではないですがオススメのお店です。

最近は変わり種のフルーツ大福なども販売されていて有名です。

 

9)水無月

6月30日には各神社で夏越祓が行われるが、それに因んで食べられるお菓子

お菓子の特徴・由来

かつて宮中の人は、衣笠山にあった氷室から取り寄せた氷を口にすることで暑気払いをおこなっていた。しかし、一般大衆にとって氷は貴重で手に入らなかった。

そのため、氷室の氷(三角形)に見立てて作られたお菓子が水無月と言われている。

なお、上に乗っている小豆は悪魔祓いを表している。

個人的に好きなお店の場所

亀屋良長

昔はこの地で汲まれた「醒ヶ井」の水で和菓子が作られたと言われている由緒ある水で、今でも作られているお菓子屋さんです。

そのお水を多くの人たちが汲んでいます。
(外に汲めるようになっています。)

 

10)ちご餅

7月13日に祇園祭長刀鉾の稚児社参の時に備えるもの。

祇園祭についてはこちら(執筆中)

お菓子の特徴・由来

代々氏子として、二軒茶屋 中村楼が献じてきた。

現在は中村楼にて7月13日〜31日まで食べることができる。

関連事項

三條若狭屋さんでは、ちご餅に由来する「祇園ちご餅」を販売している。

なお、こちらの三條若狭屋さんは三条会商店街アーケード東側入口にあるので

祇園付近のお店ではないので注意。

 

お店の場所

二軒茶屋 中村楼

 

11)行者餅

祇園祭で混む時期に、さらに輪をかけてお客さんが並んで買う、柏屋光貞さんの代表的な無病息災のお菓子。

お菓子の特徴・由来など

祇園祭役行者山にゆかりのお菓子。

1806年(文化三年)に京都に疫病が流行したとき、柏屋光貞の当主が大峰山にて修行中に見た霊夢を受けて作り役行者山にお供えしたもののお下がりを食べたところ人々は疫病を免れたという。

関連事項

法螺貝餅で有名な柏屋光貞さんのお菓子。

販売場所

柏屋光貞

7月16日のみの販売でめっちゃ混みます。

 

12)吹き寄せ

秋の風情を表す干菓子

お菓子の特徴・由来

寒梅粉、洲浜粉、砂糖、水飴などが原料となっている。

関連事項

干菓子は薄茶のためのお菓子。

紅葉した楓や銀杏の葉や松葉、銀杏、松ぼっくり、栗、きのこなどの形がある。

 

有名な販売場所

伊勢源六 たちばなや

店舗が新しくなってわらび餅なんかも販売されています。

 

13)亥の子餅

旧暦の10月にあたる11月の最初の亥の日に食べるお餅。

お菓子の特徴・由来

元々宮中の年中行事で、この日に餅を食べると万病を除き長寿を保つと言われている。

また子孫繁栄の願いも込められている。

関連事項

茶道では、この亥の日を炉開きの日として、この亥の子餅を食べる。

有名な販売場所

御菓子司 かぎ甚

京都ゑびす神社さんのすぐ近く、東大和大路沿いにあります。

10月〜1月頃までの販売だそうです。

 

 

2.季節を問わない京菓子

1)真盛豆(しんせいまめ)

炒った黒豆を洲浜粉で包んで表面に青のりを塗したもの

お菓子の意味・由来など

比叡山坂本天台真盛宗の総本山[西教寺]。

開祖であられる室町時代の聖僧 真盛上人は、不断念仏の行者たちを慰める為、
菜の葉と塩を黒豆にまぶした物を自ら創造され、参詣聴聞の人々に分かち与えました。

(引用元:京菓子司 金谷正廣)

明応年間(1492年〜1501年)

天台真盛宗の開祖である、慈摂大師(真盛上人)が北野で辻説法をする時に、炒った黒豆を乾燥させた大根の葉をかけて振る舞ったのが始まりとも言われている。

関連事項

天正十五年 北野大茶会の時、千利休は西方尼寺にある[利休井筒]にてお水を汲みお茶をたてられました。

訪れた豊臣秀吉公が真盛豆を召され、「茶味に適す」と賞賛され、同行した細川幽斎は「苔のむす豆」とたとえたと伝えられています。

(引用元:京菓子司 金谷正廣)

北野大茶湯豊臣秀吉が茶事に合う豆菓子としてほめたという。

販売場所

京菓子司 金谷正廣

 

竹濱義春

 

2)洲浜(すはま)

洲浜粉(きな粉よりも浅く炒ったもの)を飴などと混ぜて練り上げたお菓子

お菓子の意味・由来など

すはまと読んで、すあまとは違うお菓子。

豆餅とも呼ばれていた。

関連事項

洲浜の切り口の形が有職洲浜台・島台に由来している。

蓬莱山や秋津島を表すと言われている。

有名な販売場所

その名も

すはま屋

 

3)清浄歓喜団(せいじょうかんきだん)

京菓子の歴史でも出てくる団喜

京菓子の歴史についはこちら

makotolabo.hatenablog.com

奈良時代遣唐使によって伝えられた唐菓子の1つ。

油で揚げたお菓子。

お菓子の意味・由来など

密教の祈祷の際に供えられるお菓子。

「御団・聖天さん」とも呼ばれている。

関連事項

餡の部分には、ハッカ・チョウジ・ニッキなど7種類の香り入。

有名な販売場所

高島屋さんにも入っていますが八坂さんの向かいが有名です。

亀屋清永

 

4)麦代餅(むぎてもち)

お餅の間に餡子を入れ、きな粉をまぶしたお菓子。

お菓子の意味・由来など

麦刈や田植えの時の間食として食べられていた。

農繁期には直接このお菓子を届けていたという。

届けられた時に、お金の代わりに刈り取った麦でお菓子代を支払ったことからこの名前がついた。

有名な販売場所

中村軒

 

最後に参考文献をご紹介しますが、京菓子の種類や由来前編のまとめは以上です。

最後まで読んでいただきありがとうございました。

 

参考文献のご紹介

今回参考にした書籍は

京都・観光文化検定試験公式ガイドブックです

 

京都検定では公式テキストでもあるので

これは必読書ではありますね。。。

この書籍から3級は90%以上、2級は70%以上出題されます。

 

②江戸時代京都名所事典

 

タイトルの通り江戸時代に発行された、いわゆるガイドブックに載る記事を中心に紹介してくれています。

京都は江戸時代もしっかりと観光地だったんだと改めて実感します。

 

③重ね地図で読み解く京都1000年の歴史

 

エリアとルート別でその付近の歴史や史跡をエピソードと共に紹介してくれていて面白いです。昔の地図と重ねて自分がどこに住んでいるのかや、どこを歩いているのかを見ながら散歩しても面白いと思います。

 

他にも参考にさせていただいている書籍がありますが、別の記事で紹介させていただきます。

 

必読書とは言っても

別に公式ガイドブックを否定もしないですし、試験範囲の情報は網羅されているため非常にありがたい本です。

ただ、いきなり最初から分厚い本を読み進めていっても、瞬間的な知識にはなっても試験が終わったら忘れるといった感じになりやすくなってしまうかもしれません。

 

私なりに再構築します

このブログでは、私なりに

公式ガイドブックと実際に訪問するなどフィールドワークを中心に

整理していきますので、

「この方法だと覚えやすいかも」

などと思ってもらえたら

是非読者登録・ページをブックマークをしていただけると嬉しいです。

これからもよろしくお願いします。

 

グループ参加してます!

もしよろしければクリックお願いします!